森のジビエのこと

森のジビエのこと

鹿肉は、森林からの贈りもの

森のジビエは、西粟倉村近郊の野山を駆け回った鹿のお肉です。 岡山県北東端、自然豊かな中国山地の谷あいにある西粟倉村。この村は、先人から受け継いだ森林を100年大切に育てようと「百年の森林構想」を掲げています。しかし増えすぎた鹿が、苗などを食べることで次世代の木が育たない食害が深刻化し、駆除を余儀なくされています。

鹿たちを、駆除対象ではなく、自然の営みの中で生まれる森からの贈り物として捉え直し、できる限り命を美味しくいただくこと。これは、自然と人間がより良い形でつながる世界のために重要なことだと考えています。

我々エーゼロ自然資本事業部は、自分たち自身で鹿と向き合うために、地域の諸先輩方から鹿の解体方法を教わり、解体場を整備してきました。一匹ごとに異なる個体を観察しながら、鹿の命を大切に使い切れるよう、解体・精肉しています。

中国山脈の豊かな自然が育んだお肉は、丁寧に解体することでとても魅力的な食材に変わります。

「赤い宝石」とも言われる鹿肉。赤身が多いことが特徴
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獣害のリアル

農業において日本全体でもっとも被害額が多い獣害が、鹿とイノシシです。西粟倉村では割合としては鹿が多く、被害額はイノシシの約5倍です。

都会に住んでいると想像しにくいのですが、山間部では鹿やイノシシが家のすぐ近くまでやってきます。家の裏にある畑の、ブロッコリーの美味しいところだけ食べていったり、種播きしたばかりの土をほじくってしまいます。
田んぼでも順調に育ってきた稲を食べられたり荒らされた時の農家さんのダメージは大きいです(精神的な部分も含めて)。米作りは1年に1回しかできません。やり直しが効かないので、収入や自家消費分にも大きく影響します。

林業の場合、数十年かけて育ててきた木が商品価値を失ってしまうのは、本当に辛いことです。もちろん獣害防除のために、様々な工夫や研究が進められています。しかし防除自体も大変な労力とお金がかかるものです。


次世代のための森林を育てている西粟倉村を囲む山々や限られた土地につくられた田畑の風景
次世代のための森林を育てている西粟倉村を囲む山々や限られた土地につくられた田畑の風景

有名店でも認められた、透明感のある味わいの鹿肉

森のジビエの鹿肉は、ミシュラン星獲得レストランでも採用されており、フレンチをはじめ、イタリアンレストランや和食の名店で採用されています。私たちの村や近郊で獲れた鹿のお肉が、各店にて個性豊かなお料理に変身する様をとても嬉しく思います。

森のジビエは、「クリアな味がする(透明感のある味わい)」と評されることが多いです。

理由のひとつは、豊かな森と源流域の澄んだ水を飲んで育ったからかもしれません。西粟倉村の飲み水は美味しく、お米もうまいと評判の土地です。

ふたつめは、鮮度です。鹿肉の品質は、捕獲後にどれだけ短時間で処理されるかがとても重要です。西粟倉村は小さい村なので、捕獲〜搬入されるまでの時間を短くできます。猟師さんと連携して、素早い血抜きと迅速な処理をするので、臭みがなく旨味が増したお肉に仕上がります。

高級グルメ・レストランにも採用される森のジビエ、わが村自慢のお肉です。

森のジビエが育つ岡山県西粟倉村近郊は源流域であり、豊かな水と自然がある
森のジビエが育つ岡山県西粟倉村近郊は源流域であり、豊かな水と自然がある

安全な鹿肉を届けることへのこだわり

捕獲された全ての鹿を美味しくいただくことが理想ではありますが、ジビエの特性上、安全性は高い優先順位で確保しなければなりません。著しい異常が認められる個体(病気・鬱血・水膨れなど)は買い取り不可とし、厚生労働省ジビエガイドラインに沿った「食用」に適した個体のみ受け入れています。

また、解体作業担当チームは刃物を使いますし、ダニ対策も欠かせません。ケガなく仕事できるように、道具・設備を整備し、メンバーで情報共有しながら事故防止対策を行っています。


安全性と鮮度が保たれるように森のジビエ鹿肉を解体している様子
安全性と鮮度が保たれるように森のジビエ鹿肉を解体している様子

カラダがよろこぶお肉を、日常の食卓に

鹿肉が、健康・美容に良い食材であることをご存知でしたか?
美味しいだけではなく、日ごろ運動される方、働き盛りの男性、筋肉量を維持したいご高齢の方、冷えが気になる女性など幅広い年代の方々にオススメできるお肉なのです。

鹿肉は牛肉と比較して脂質が約5分の1、カロリーは半分以下。ですが、タンパク質は約1.3倍、鉄分は約1.7倍。 特にヘム鉄と呼ばれる身体に吸収されやすい鉄分の成分が豊富で、貧血や冷えを予防する働きがあります。
また、代謝を促進するビタミンB2、認知症予防への効果が見込めるビタミンB12、健康維持に役立つ亜鉛などの栄養素も豊富です。

鹿肉は、野生であるがゆえに筋肉が発達しており、高タンパク・低脂質な傾向にあります。まさに、究極の天然食材といえます。栄養素も高く、美容や健康への関心が高いお客様には、特にお気に召していただけると思います。

出典:文部科学省「日本食品標準成分表2015 年版(七訂)」
※出典:文部科学省「日本食品標準成分表2015 年版(七訂)」

そんな森のジビエを、日常の食卓に取り入れてみませんか?

焼くだけで本格的なジビエ料理が作れる「森のジビエ 鹿肉 味付き肉」や温めるだけですぐに食べられる「森のジビエカレー(近日発売予定)」は、飲食店で食べるものだと思われがちなジビエ料理をグッと身近なものにしました。簡単な調理のみでご家庭でも美味しく召し上がっていただけます。
牛肉や豚肉とは一味違う、カラダと森が喜ぶお肉をお楽しみください。

森のジビエ 鹿肉 味付き肉「ヘルシーステーキ」
森のジビエ 鹿肉 味付き肉「ヘルシーステーキ」
森のジビエ 鹿肉 味付き肉「あまから醤油」
森のジビエ 鹿肉 味付き肉「あまから醤油」
森のジビエ 鹿肉 味付き肉「塩こうじ漬け」
森のジビエ 鹿肉 味付き肉「塩こうじ漬け」

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森のジビエ 鹿肉、各部位のご紹介
※飲食店向けの卸販売も対応可能です




背ロース

きめの細かい繊維と適度な脂肪分により、柔らかな肉質をしているので、様々な料理に使うことができる部位です。 大きめにカットしてステーキにするのはもちろん、薄めにスライスするしゃぶしゃぶでも、その上品な肉質を楽しむことができます。
背ロース

外モモ

肉が筋肉質で繊維も荒いため、用途が限られてしまいますが、筋繊維に対して垂直にスライスすれば炒めものや空揚げなど様々な料理に使えます。
外モモ

内モモ

筋繊維が細いので柔らかく、どんな料理にも使いやすい部位です。 おすすめの調理法はステーキや生姜焼きなどがあげられます。ボリューム感がある料理に向いています。
内モモ

シンタマ

柔らかくきめ細かい部位のシンタマ。何本もスジが入っていますが、それを取り除くことで料理に使いやすい部位になります。 塊が小さくなるので、唐揚げやひと口カツなどに適しています。
シンタマ

スネ

スジが多く、普通に焼いて食べる用途にはあまり適しません。しかし、圧力鍋等を使用することでプリプリとした食感と肉の旨みを楽しむことができます。 また、挽肉にしてソーセージやハンバーグにして楽しむこともできます。
スネ

ランプ

適度な弾力を持ち、「肉感」を強く感じることができる部位です。 ステーキにする用途が最も人気であり、集めにスライスすることで満足度が高まります。 繊維は荒いので、包丁で少し叩いた後に調理すると適度な状態になります。
ランプ

ミンチ

カタやバラ、モモなど様々な部位を食べやすく挽きました。 ミートソースやハンバーグ、そぼろなどジャンルを問わずお料理に使いやすい状態です。
ミンチ



卸のご注文・ご相談はお問い合わせよりお願いします

※部位ごとにばらさず、「モモ1本」といったご注文にも対応いたします